人見知りについてよくこんな話を聞きます。
「人見知りは初対面の人に『人見知りです』ってつい言っちゃう」
「人見知りは親しくなるとどんどん喋り出す」
私は自分が人見知りだと思っていて、でも、この話に納得できたことがありませんでした。
自分は人見知りであると話すことや、誰かと親しくなって普通に話すということが私にはできないからです。
人と一緒にいることが苦手な私は、友だちと言えるような相手とも思い通りに話すことができません。
「私が極度の人見知りなだけ…?」
そう思っていたのですが、気になったので同じく人見知りである姉に聞いてみました。(家族とは普通に話せます)
というわけで調べてみました。
目についたのは「対人恐怖症」と「コミュニケーション障害」いわゆる「コミュ障」。
だったのですが。
この2つの定義は文献によってさまざまで、明確な違いはよくわかりませんでした。
なので、今回はその曖昧な境界部分を私の個人的な解釈に基づいて定義させていただきました。
人見知りについて私と同じ疑問を持っている方や、極度の人見知りだと思っている方は参考にしてみてください。
視線恐怖を治したい方はこちら。

目次
【個人的見解】人見知りとコミュ障と対人恐怖症
人見知り(こわがりレベル1)
- 初対面の人と上手に話せない
- 自分から声をかけるのが苦手
- よく知る相手とは普通に話せる
引っ込み思案や恥ずかしがり屋、内気な人が多い。
自分の言動に自信が持てなかたっり、周りからの評価が気になってうまく行動に移すことができなかったりします。
冒頭で挙げた疑問についての結論はこうなりました。
Q.「私は人見知りです」と言える人は人見知り?
A.これを言えるタイプと言えないタイプの人見知りがいると思います。
相手に何か思われるのが恥ずかしくて先に言っちゃう人と、それを言うのも恥ずかしくて何も言えない人です。
Q.人見知りは親しくなった相手とは普通に話すことができる?
A.できます。最初がぎこちないだけで、回数を重ねて慣れてくると普通に会話できます。
できない人はコミュ障か対人恐怖症に分類されるのかなと思います。
コミュ障(こわがりレベル2)
- 人見知りと対人恐怖症の中間
- よく会う人ほど親しく話せない
- (頭痛や動悸などの)身体症状は出ない
ネットスラングでいうコミュ障を解釈してみました。
たぶんもっと幅広く使われている言葉ですが、わたし的にはこんな感じ。
事務的な会話は比較的スムーズにできますが、人見知りと違うのはコミュニケーション全般が苦手で、会う回数が増えても一向に仲良くなれないところです。
学校や会社にいても居心地が悪く感じ、人といることが疲れやすいタイプです。
コミュニケーション障害とは?俗称と医学的定義の違いは?症状の種類や原因、治療方法まとめ
対人恐怖症(こわがりレベル3)
- コミュ障よりも症状が重い
- 頭痛や動悸など身体症状がある
- 日常に支障をきたすレベル
ひどいと学校や会社に行けない。買い物に行けない。外出できない。
社会不安障害(社交不安障害)の一種。
対人緊張・赤面恐怖・視線恐怖・電話恐怖・発汗恐怖・自己臭恐怖など、人によって怖いと思うものが違います。
人見知り・コミュ障・対人恐怖症の違い
この3つの違いをまとめてみます。
そのうち親しくなれる | 身体症状がある | ||
こわがりレベル1 | 人見知り | ○ | × |
こわがりレベル2 | コミュ障 | × | × |
こわがりレベル3 | 対人恐怖症 | × | ○ |
だいたいこんな感じかなと思います。
レベルの中にもそれぞれ軽度〜重度があるという感じがします。
人見知りから対人恐怖症、対人恐怖症から人見知りへ
人見知りからコミュ障を通って対人恐怖症になる可能性はあると思います。
人見知りの時に何らかの原因によってコミュ障になることはありえますし、さらに悪化して対人恐怖症になることもあるでしょう。
人によってはコミュ障をすっ飛ばして対人恐怖症になることもあるかもしれません。
例えば、私は人見知りからコミュ障を経て軽い対人恐怖症になり、そこからまたコミュ障に戻ってきました。詳しく知りたい方はいつのまにか人見知りから軽い対人恐怖症になってた話をお読みください。
なので、私の経験から言うと、頑張れば対人恐怖症の人でもコミュ障や人見知りまで戻ることができると思いますし、そこまで戻ることができれば人見知りも克服できる可能性は大いにあると思います。
人見知りを克服したという話はきっと多くの方が聞いたことがあると思います。
こちらの記事すごくわかりやすいです。少し意識を変えるだけでもだいぶ違ってくるんですね。これはコミュ障にも効く方法だと思います。
ただ、コミュ障から人見知りに戻ることは難関であると私は感じています。
なぜかというと、コミュ障は人と打ち解けられないからです。
物心つく前から一緒にいた家族や友人となら親しいままでいられる方もいると思いますが、新しい友だちをつくれなかったり、友だちだったのに友だちとして見られなくなるということもあります。(恋愛的な意味じゃないよ 笑)
いつも一緒にいる人であっても言いたいことを言えないので、とにかくすべて相手の考えに賛同してしまい、意見の交換がないので議論もなく、絶対に喧嘩にはならないというか、互いに違う空間にいる感じがして、重なることがないという感じです。
”見えない壁をつくっている”とよく言いますが、簡単にいうとそんな感じです。
その壁を取り払うことってすごく難しいんです。勝手に自分がつくり出したものですが、その壁によって自分を守っている節があります。
だから簡単には手放せないし、その状況の方が居心地がいい場合もあります。
人見知りのままで居心地がいいって人はそんなにいないと思うのですが、コミュ障でひとりが好きな人にとってはこのままでいいと思うことがあるんですね。
たとえコミュ障のままが嫌でも、友だちを友だちと思える感覚がわからなくなっているので、相当気の合う人を見つけるとか、自分の殻を打ち破る出来事が起こったりしなしと、人見知りに戻るのは難しいんじゃないかなと思います。
誰か克服した方がいたら教えてください 笑
私もなにか他にいい方法がないか試してみようと思います。
コミュ障と対人恐怖症は理解されにくい
人見知りの方は結構いるので、人見知りではない人からもわかってもらいやすいです。
ああ、そういう人いるよね、って。
でもコミュ障と対人恐怖症はちょっと理解されにくいんじゃないかと思います。
私は何度か、自分のにおいが気になることや人と話しているのがつらいことを家族に言ったことがあります。でも、よくあることだ、とか、何言ってるんだ、と笑われるだけでした。
私が深刻な表情をしていないせいもあると思いますが、たぶんこういう話を真剣に聞いてくれるのって、同じような経験をした人やその分野について勉強している人じゃないと難しいと思います。
やっぱり知らないことを理解するのは難しくて、体験してみないと深いことまではわからないものです。
あなたのこわがりレベルはどれですか?
人見知り、コミュ障、対人恐怖症について大雑把に解釈してみました。
自分がどの程度のこわがりなのかを知っておくことは大切です。
よく「私はコミュ障だから〜」「私は人見知りだから〜」という話を聞くと思いますが、自分と他人は切り離して考えた方がいいと思います。
「みんな同じようにつらい思いをしているんだから」と思って、本当につらいのを我慢していると、どんどん悪化していきますし、鬱になることもあります。
自分のことをちゃんと知っていれば自分に合う道を探すこともできます。
この記事を読んであなたがいまどのレベルにいるのか、なんとなくわかってもらえていたら嬉しいです。
